毎年この時期は八代に伺い年間使う畳表の大半を仕入れる大事なとき。
今年は産地問屋さんの研修会に参加して勉強をしてきました。
製織を農家さんに教えていただきながら体験するのが目的です。
お世話になったのが、農林水産大臣賞最多4回受賞の名人 橋口英明さん。
ずっと伺いたかった農家さんなので感激でした。
イ草の袴切をして機械選別で長さの段階で選別までは橋口さんがやっていましたので体験はそこから。
今回使わせていただけたイ草は一番長い一番抜きでした。
一番抜きは京間で使う幅の広い本間サイズの最高級品ひのさらさに使うイ草です。
なるべくイ草の身入りのよい部分を使うため根と穂先をカット。
その後、すべてのイ草を自分の目で傷や折れや変色などを選別します。
ここで弾かれたイ草は廃棄になるのですが、自分は勿体無くてなかなか選別が進みませんでした。
橋口さんはどんどん弾いていましたね。すごい。
この選別の良し悪しが次の仕上げの工程で顕著に現れます。
選別のあとは機械に乗せて畳表に織り上げていきます。
織りあがった畳表に傷や切れなどがあるとそれを修正するのに仕上げ作業をします。
専用の仕上げ包丁を使って切れたイ草や変色イ草を取り除き、何もなかったような綺麗な表面に仕上げるのは大変根気がある作業でした。
橋口さんは仕上げをそこまでしなくても良いように選別にすごく時間をかける織り方をされていました。
農家さんが愛情かけて育てて苦労して織り上げた畳表。
今回の体験で畳表に対しての向き合い方をより一層大切にしなければならないと実感しました。
今回お世話になった産地問屋さんでしっかり吟味して買い付けもしてきましたよ。